HOME

今回のお話

バックナンバー

Dr.スエダのご紹介

メール

タブをクリックしてください。




なぜ予防が大事なの?
 歯周病は歯のもつ機能を低下させ歯を失う原因になりますが、実はそれだけでなく体の器官にも影響を与え、いろいろな病気の原因になるといわれています。歯周病の予防が大切なのはそのためなのです。
 第6回”歯周病を起こすのは何?”でお話ししましたが、歯周組織の健康は、細菌からつくり出されるものと体の防御力のバランスが保たれた上で成り立つと考えられています。つまり体の防御力より細菌をうみだす病気のもとが強くなった時には病気が起こりますし、重い病気などで体の防御力が低下した時にも病気が起こるのです。ですから歯周病の予防法には細菌のつくり出すものをできるだけ少なくすること、体の防御力を低下させないことが考えられます。

防御力の低下を防ぐには?
 体の防御力の低下を防ぐには何が必要でしょうか?歯周組織も体の一部ですから体全体の健康について注意することが必要になります。
 まず
栄養のバランスがとれた食事を取るようにしましょう。歯周病を予防するのに特別な食べ物や特殊な薬は残念ながらないのです。
 また糖尿病のような生活習慣病、喫煙、そしてストレスに対しては日頃からの注意が必要です。
血液疾患、糖尿病のような体の病気、喫煙、ストレスなどは、体の防御力を弱める原因として報告されています。

細菌の数を減らすには?
 歯の表面に付着しているプラーク中の細菌は歯肉炎症の引き金になっていることはお話ししました。この細菌の数を出来るだけ少なくすることが歯周病予防にとっては大事なことです。言い換えれば
プラークコントロールが重要なのです。
 歯肉が健康な場合、プラークの大部分は
歯肉縁上プラークだといえるでしょう。歯肉縁上プラークは歯の表面を機械的に擦ることで自分で取り除くことができます(第10回)。

歯ブラシの選び方
 みなさんは歯ブラシを選ぶ際に何か気を付けていることはありますか?プラークコントロールに欠かせない
歯ブラシ選びはとても大切です。合わない歯ブラシを選んで歯肉を傷つけてしまったり、プラークが十分除去できなかったり、なんてことがあります。図1のように、市販されている歯ブラシには色々な種類がありますが、
1. 毛の長さ(B)が長過ぎるものや短すぎるもの、
2. 毛の硬さが硬すぎるものや非常に柔らかいもの、
3. 毛の植えてある部分(A)の長さが長いもの、
4. 毛が植わっているところと柄の先端との距離(C)が長いもの
はできるだけ避けて選ぶのがよいでしょう(図2)。


<図1>歯ブラシにも色々あります。


<図2>歯ブラシの各部位の名称です。  
A;毛の植えてある長さ  
B;毛の長さ  
C;毛が植わっているところと柄の先端との距離



<図3>毛が開いた歯ブラシです。

歯ブラシはマメに交換しよう
歯ブラシは長い間使用しているとブラシの毛が開いてきます。図3のような状態になるとプラーク除去の効果は半減してしまうので、マメに交換してください。歯ブラシを後ろ側からみても毛先が飛び出てみえるようなら、さっそく歯ブラシを買いましょう。

 

 

 

いよいよ歯磨き!
 さあ、それではいよいよ歯磨きを始めましょう。歯ブラシの使用法については、今まで多くの方法が多くの先生によって推奨されています。ここでは私Dr.スエダが患者さんに教えている方法をお話しすることにします。
 歯ブラシの歯面への当て方ですが、必ず毛先が歯肉と歯面との境目にくるようにします。当てる角度は90°(図4)あるいは45°(図5)とします。2, 3本の歯に当てるときにはそれらの歯全部が、歯肉と歯面の境にブラシの毛先が当たっていることを確認してください。


<図4>歯の表面に対して直角に当てている状態です。歯と歯肉の境目に毛先が当たるようにします。


<図5>歯の表面に対して45度に当てている状態です。歯と歯肉の境目に毛先が当たるようにします。


 


<図6>歯ブラシの当て方の1つの方法です。

 歯ブラシを当てたら、前後方向に振動させます。振動を与えるのは5-6回程度にし、いちど毛先を歯面から離して再び同じ場所の歯面に当てて振動させます。この動作を4-5回行ったら次の場所に移ってください。
 歯ブラシの当て方の一例を図6に示しました。上にならんでいる歯の絵は上額、下の絵は下顎を表しています。歯の横にある黒い太線は歯ブラシを当てる場所です。そしてその横の数字は歯を当てていく順番を示しています。歯ブラシを順序だてて歯に当てていけば磨き忘れを防げますね。
 歯ブラシによる清掃は歯の外側だけでなく、歯の内側および1番奥の歯の奥を向いている面でも行います。この操作が終わったら、歯が咬みあう面をきれいにしていきます。
 歯の側面を清掃する場合、ほとんどの場所では歯ブラシを横向きにして使いますが、奥歯の奥を向いている面7, 16, 17, 24と、下顎の内側27-30は、歯ブラシを縦にして、振動した後かき出すようにします。
 今までは手用の歯ブラシについてお話ししましたが、電動歯ブラシでもプラークの除去効果は同じです。振動する動作が電動になるので楽になります。使い方については図6を参考にしてください。

 

歯ブラシにかかる時間は?
 みなさんは歯磨きにどれくらいの時間をかけていますか?上で説明した方法で歯ブラシを使用していると多くの時間がかかります。歯ブラシの使用に慣れているひとでも1つの場所にかかる時間は約10秒です。これが慣れていないひとだと約15秒かかります。ブラシを当てる場所は図のように28ケ所あり、さらに咬む面を清掃するので、合計時間としては5分から8分かかることになりますね。

歯ブラシだけでここまできれいになる!
 実際に歯ブラシを正しく使用すると、どれくらいきれいになるかをお目にかけましょう。図7は10歳の少女が歯肉炎の治療に来院したときの状態です。歯は来院前に磨いてきたとのことでした。プラーク染色剤でプラークを染めてみると図8のような状態で歯肉に接している部位にプラークがかなり付着していることが認められました。
 そこでまず歯ブラシの使用法を説明してまず左側だけ磨いてもらいました。その結果が図9で、左側だけプラークがとれているの分かります。さらに右側を磨いてもらった状態が図10で、きれいになっているのが分かります。

<図7> 何もしていない状態です。

<図8> プラーク染色剤でプラークを染め出した状態です。

<図9> 左側のみ歯ブラシを使用しました。

<図10> 歯ブラシの使用が終了したときの状態です。


 

<図11>歯間清掃用具です。
上;歯間ブラシ/下;デンタルフロス

まだまだプラークは潜んでる!
 歯ブラシだけでも歯の表面はかなりきれいになりますが、まだまだ油断はできません。歯と歯との間の歯面にはかなりの量のプラークが残っているのです。ここに潜むプラークを取るには
デンタルフロス歯間ブラシなどの歯間部清掃用具を使用します(図11)。プラークコントロールには歯ブラシと歯と歯との間の清掃用具を併用することが大切です。
 歯と歯との間の歯肉が下に下がっておらずすき間のない場合には
デンタルフロスを使います。歯間ブラシを使用すると歯と歯との間の歯肉が下がりすき間ができてしまうので絶対に使用しないでください。デンタルフロスを歯と歯との間に入れ、歯と歯の歯面を擦るようにしてプラークを取ります。ただしデンタルフロスは使い慣れるまでに時間がかかります。
 歯と歯との間の歯肉が下がりすき間が見える場合には
歯間ブラシを使用します。歯間ブラシはすき間とほぼ同じ太さのものを選びましょう。歯と歯との間に入れ、2つの歯面を擦ります。歯間ブラシの使用に時間はかかりませんが、無理やり歯の間に入れると歯肉が下がってすき間が大きくなったり、歯間ブラシが折れることがあります。

 

歯磨きタイムを習慣づけよう
 歯ブラシによる清掃と歯の間の清掃を行うと8-15分かかります。1日1回、じゅうぶんな時間をとって歯のそうじに当てることが歯周病の予防には大切です。慣れるまではこの時間を取ることは面倒かも知れません。ですが何日か繰り替えし行って習慣にしてしまえばそんなに苦痛にならなくなりますよ。

歯磨き粉は何のために使うの?
 最後に歯磨き粉についてお話しします。歯磨き粉はプラークの除去に役立たないことはありませんが、使わなくてもプラークの除去はできます。歯磨き粉はプラークの除去よりも、歯の表面が褐色や黒色になるのを防ぐ役目をするといえるでしょう。
 歯ブラシが終わるまで時間がかかるので、口の中に歯磨き粉を入れっぱなしでいると、ちょっと苦しいですよね。ですから歯の側面の清掃が終了した後、咬む面を磨くときに使い、そのとき歯の側面も擦るようにすればよいでしょう。

最後に
 13回にわたり、歯周病とはどんな病気なのかを多くの方に知っていただく目的で、私の考えに基づいて話を述べました。舌足らずで終わったところもあると思います。何かこのようなことが知りたいというようなことがありましたらメールを下さい。皆様の御愛読に感謝します。

このページのTOPに戻る

01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13

Copyright Sueda Dental Clinic. All Rights Resereved.