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歯周病の原因を取り除くさらなる治療
 今回第11回は前回に引き続いて治療の方法についてお話をします。前回は、基本治療についてお話ししましたので、今回はその基本治療に附随する治療についてお話をしていきます。この附随する治療というのは基本治療のようにすべての患者さんが必ず受けるものではなく、患者さんの病気の状態にあわせて行われるものです。

 附随する治療には、
歯肉の炎症を少なくするための治療、歯周組織に加わる強い力をコントロールするための治療、歯周ポケットを取り除くための治療、歯周組織や歯の形態を修正するための治療などがあります。歯医者さんで行われるさまざまな治療ですので、わかりやすいように写真を多く使ってお話ししていきましょう。

 
歯肉の炎症の原因を取り除く!
 歯肉の炎症を少なくするための治療には、歯に合っていない人工物(冠や充填物)の修正、歯周ポケットの中に薬を挿入する治療、口唇(くちびる)の閉鎖不全に対する治療があります。
 第7回でお話ししましたが、人工物、つまり冠や充填物(つめもの)が歯の形と合っていない場合、それが歯肉と接する部分にはプラークがつきやすくなってしまいます。この状態をなくしてプラークを増やさないためには、人工物を取り外して、歯に合う新しい人工物に変える方法や、人工物の一部を削って歯肉に接しないように修正する方法があります(図1−図4)。


<図1>虫歯の治療で歯に詰めたものが歯の表面と合っていなくて、飛び出しているのが分かりますね。


<図2>図1で示した詰め物を歯の表面に合うように削り、4週後の状態です。歯肉の状態は改善されています。



<図3>歯面より飛び出している金属冠があり、歯肉には炎症が見られます。


<図4>図3に示した金属冠の歯肉に接している部分を削除した状態です。歯肉の炎症が改善されていますね。


 


<図5>歯週ポケット内に抗生物質を含んだ薬剤を塗布している状態です。

   次に歯周ポケットの中に薬を挿入する治療があります。ここでは、薬として抗生物質が使われるのですが、これはこの治療のねらいが、抗生物質を歯周ポケットの中の細菌に作用させて、歯周病と関係があると考えられている細菌の数や質を変化させようというものだからです。歯周ポケットの中に入れた抗生物質がすぐに流れ出てしまっては効果が半減してしまうので、水に解けにくい材料と混ぜ合わせて効果が長時間持続するようにしてあります。図5は抗生物質を含んだ薬剤を歯周ポケットの中へ挿入しているところです。

 

 

 これは第8回でお話ししましたが、口唇(くちびる)を閉じないでいると(口唇の閉鎖不全)、歯肉が乾き細菌に対する抵抗力が減少することで、病気になりやすくなると考えられています。この場合、夜眠るときに口の中にフィルム状のもの(図6)を入れて歯肉の乾燥を防ぐ方法があります。図7はこれを口の中に入れた状態です。


<図6>夜間口の中に入れ、歯肉の乾燥を防ぐフィルム状のものです。硬さはかなり柔らかいものです。


<図7>フィルム状のものを口の中に入れた状態です。


 
歯周組織への負担をやわらげる!
 歯周組織に加わる不当な力をコントロールするための治療には歯と歯との間に物が挟まるのをなくす治療、早期接触をなくす治療、歯ぎしりなどのために歯に加わる力をコントロールする治療、そして歯が動いている場合には歯を動かなくし、歯周組織によけいな力が加わるのを防ぎ、物を食べ易くする治療などがあります。
 歯と歯との間に物が挟まるのは、隣り合っている歯同士の接触が弱かったり(歯が動いている場合もあります)、歯と歯との間に反対側の顎(あご)の歯が強く噛み込んでくる場合などが考えられます。そのような場合、隣り合っている歯の接触の関係を変えて物が挟まらないようにしたり、噛み合っている歯の形態を治すといった治療をします。
 歯の
早期接触があると、特定の歯に強い力を受けるために歯周組織の破壊が進みやすい状態になります(第8回)。その力を取りのぞいて多くの歯が同時に接触するようにさせるためには早期接触をなくす必要がありますが、方法としては早期接触がある場所を削るという治療があります(図8、9)。


<図8>早期接触が見られます(矢印)。


<図9>早期接触がある部位を削除した状態です。


 歯ぎしりをすると歯周組織には大変強い力がかかります(第8回)。また歯ぎしりをすると歯がすり減るので食べ物が歯と歯との間に挟まりやすくなります。それを防ぐためには、ナイトガードというものを夜眠っている時に口の中に入れる治療があります。図10がそのナイトガードです。図11はそのナイトガードを口の中に入れた状態ですが、こうすることで歯と歯周組織を保護するというわけですね。


<図10>ナイトガード。プラスチックで出来ている。


<図11>ナイトガードを上顎に入れた状態です。下顎の歯が均一に当たるようにしてあります。



<図12>歯が動かないように歯と歯とを連結させた状態(○印)です。見た目ではわかりづらいですが、透明のプラスチックの糊のようなものでくっつけてあります。

 歯を食いしばることも実は歯周組織に強い負担をかけているのをご存知でしたか?食いしばりによって強い力が加わらないように指導する方法もあります。また歯周組織の破壊が進んで歯がぐらついている場合には、何本かの歯を連結させて動かないようにして、強い力が特定の歯だけに加わらないようにします。この治療法を固定法と呼んでいます(図12)。

 

 

 

 第4回から第8回まで歯周病の原因についてお話ししましたが、非常に多くの要因が歯周病をひき起こしていることがわかりましたね。そこで今回はその多くの原因にあわせて歯医者さんでも実にさまざまな治療を行っていることを知っていただけたと思います。
 次回も引きつづき治療法についてお話しします。

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