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口の中は細菌がいっぱい
<図1> プラークの表面を顕微鏡で見た状態。この写真で見られるのは全部細菌なのです。プラークが細菌で構成されているのが分かりますね。また色々な形の細菌がお互いにくっついているのを見ることができます。
歯肉炎と歯周炎は口の中にいる細菌によって引き起こされると考えられています。口の中には多くの細菌が生息し、またその種類も非常に多数存在していることを皆さんはご存知でしたか?これらの細菌は歯の周囲に、あるいは唾液の中に、また舌の上皮の間にも住み着いているのです。その中でも歯肉炎と歯周炎の原因になっているのは、歯に付着して生息している細菌です。歯に付着している細菌の集まりをプラークと呼んでいます。ですからプラークが病気の原因ということになりますね。図1はプラークの表面を顕微鏡で見た状態です。多数の、そして多種類の細菌がからみ合っているのがわかると思います。病気に関係している細菌については次回お話しすることにします。
プラークと歯肉の炎症の関係
プラークが歯肉炎、歯周炎の原因であるということが分かったのは約35年前です。それまでは歯石がこの病気を起こす直接の原因と考えられてきました。それを明らかにしたのはデンマークの先生で、その研究の1部を紹介します。歯学部学生の中からボランティアを募集し、被験者として研究に参加してもらいました。まず始めに、被験者の歯についている歯石、プラークを完全に取り除いて、歯肉に炎症が見られない状態にしました。その次に、被験者には口の中をきれいにするための操作(例:歯ブラシの使用)をやめてもらいました。こうしてその後の歯の汚れ(プラークの付着状態)と歯肉の炎症の程度を観察しました。15日目に口の中をきれいにする操作を開始させました。(図2)
<図2>プラークの付着状況と歯肉の炎症の程度との関係を調べた研究の1部。
白いマルはプラークの蓄積の程度を、黒いマルは歯肉の炎症の程度を示します。
ボランティア1人の結果を示したのが図2です。青い点線は歯に付着したプラークの蓄積の程度を示しています。0日目が口の中の清掃を停止した日です。日数と共にプラークの付着の量が多くなってきて、7日目から付着の量がほぼ一定になるのがわかります。赤の実線は歯肉の炎症の程度を示します。歯肉の炎症は3日目までは起こらず、4日目より起こり始め、7日でほぼ一定になります。
15日目に被験者に口の中の清掃を開始してもらいます。プラークの量は清掃により非常に少なくなり、またそれにつれて歯肉の炎症の程度も軽くなっています。この図に示すようにプラークの蓄積は歯肉の炎症と深い関係があるのが分かると思います。
この研究以来歯肉の炎症とプラーク、特にプラーク中の細菌、との関係が明らかにされてきました。見えた!プラーク
歯肉炎、歯周炎の原因であるプラークは多くの人に一般的に見られます。ですが、プラークが付着しているかどうかを見分けるのは簡単ではありません。なぜならプラークの色は白、あるいは黄色みがかった白色で歯の色と非常に似ているためです。またプラークの厚さは薄く、歯にしっかりと付着しているからです。
そこで、プラークが付着している状態を詳しく調べるために使用するのがプラークを染色する液(プラーク染色剤)です。染色をすることによってプラークの付着状態を見るというわけです。図3と図4に染色前と染色後の状態を示しました。図3で分かるようにプラークは、どこに付着しているのかはっきりとわかりません。そこで図4にあるようにプラーク染色剤で染色をしてみると、プラークの付着状態がはっきりと分かります。プラークが歯肉に接している部位に付着しているのに注意して下さい。歯肉に接しているプラークが歯肉炎、歯周炎の原因になります。歯の表面にはプラークの他に食べ物のかすが付着していることがありますが、これはプラークとは別のもので、簡単に取り除くことが出来ます。
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<図3>歯肉炎の治療のために来院した患者さんの状態。プラークの付着状況はよく分かりません。
<図4>図3に示した患者さんのプラークがどのように付着しているかを見るために、プラーク染色液を用いた後の状態。図3でははっきりしなかったプラークを見ることができます。
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