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歯肉をチェックしてみよう。
 歯肉炎がひどくなると慢性歯周炎になるということは前回お話ししましたね。今回はそれが実際にどのように悪くなっていくのかをお話しします。鏡を見て歯肉をチェックしてみるとよいですね。

チェック1
 歯肉炎から慢性歯周炎へと移行する病気はまず歯肉の炎症からスタートします。歯と歯との間にある歯肉を見てください。やや赤みがあり、フチが丸みがかっているのがわかりますか(図1)。ここは、最初に歯肉の炎症が起こりやすい場所です。この炎症は次第に歯肉のフチにそって広がっていきます(図2)。この状態を歯肉炎と呼びます。


<図1> 歯と歯との間の歯肉に軽度な炎症が見られますが、歯肉のフチ全体には及んでいません。


<図2> 歯肉の炎症が歯の周囲全部に及んでいます。

チェック2
 次は歯と歯肉の間に注目してください。少しわかりづらいですが、歯肉が健康な場合には、歯と歯肉との間にはわずかなすき間があるのです。普通は1〜2mmの深さで、これを歯肉溝(しにくこう)と呼んでいます(図3)。歯肉に炎症があると歯肉がはれるためにこの隙間が深くなり、2mm以上になります。これを歯周ポケットと呼んでいます(図4)。


<図3> 歯肉溝に歯周ポケット探針を挿入している状態です。深さは1mmです。


<図4> 歯周炎にかかっている歯の歯周ポケットにポケット探針を挿入した状態です。5mmの深さであることが分かります。



<図4> ポケット探針

ポケット探針
 
歯科医院では歯周ポケットの深さを計るのに図5のような'ポケット探針' という金属の線を使います。このポケット探針の先端は直径が0.5mmと細くなっていて、すき間に入りやすくなっています。ただ針とは違い、その先は鈍くなっています。また目盛りが付いていることによって、歯肉がどれくらいはれているかを調べることができるのですね(図5)。

 


<図6> 健康な歯周組織でのX線です。骨の吸収は見られません。


<図7> 歯周組織が壊れている状態。図6と比較すると分かると思いますが、歯槽骨はかなり無くなっています。

歯肉炎が進むと・・・ 
 歯肉の炎症は、自然に治ってしまうことはありません。そのままにしておくと炎症の影響で歯肉に被われている歯周組織が壊れていきます。組織が壊れるということはつまり、歯を支えている組織がなくなってしまうということです。

歯周組織がなくなる?
 歯周組織が壊れ始めると病気は歯肉炎から歯周炎へと移行します。歯周組織がなくなっていく速さは、人によりまちまちですが、組織がどれくらい壊れているかは、歯槽骨の状態をみると一番よく分かります。その様子は、X線写真で見ることができます(図6・7)。

 

最近、歯が長くなった気が・・・
 それでは、もう一度歯肉を観察してみましょう。歯周病にかかったことのない人の場合、歯肉は健康で、そのフチは歯冠(エナメル質)上にあります。ですが、歯周組織が壊れると、歯槽骨が吸収し、歯肉のフチは歯根の辺りまで下がってしまいます。そのため歯と歯との間にすき間ができることもあります(図8-1)。このような状態になっても歯周ポケットは残ります(図8-2)。


<図8-1>


<図8-2>

 さらに歯周組織の破壊が進んでいくと、歯がグラグラと動くようになり、場合によっては硬い食べものが食べにくくなることもあります。
 病気は非常にゆっくりと進行するために、自覚症状を非常に感じにくいのが歯周病の1つの特徴です。


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